「制度があるから安心」ではない時代へ

― 高額療養費制度の見直し ―

最近、「高額療養費制度」の見直しが話題になっていることをご存じでしょうか。

高額な医療費がかかった際、自己負担額を一定額まで抑えてくれる大切な制度ですが、今後は段階的な負担増が予定されています。

万が一のときに慌てないためにも、どのような変更が予定されているのか、現状を把握しておきましょう。


■ 予定されている主な変更点

● 2026年8月〜

① 自己負担上限額の引き上げ

引き上げ額は所得額によって異なりますが、数千円から高い人では1万円以上上がる見込みです。

② 「年間上限」の新設

今回の見直しは、負担増だけではありません。

現在は「1か月ごと」の上限のみ設定されていますが、2026年8月からは、1年間の自己負担総額にも上限が設けられる予定です。

そのため、がん治療や難病などで長期間にわたり医療費がかかる場合は、年間を通して見ると負担軽減につながるケースもあります。


● 2027年8月〜

所得区分の細分化

現在の5区分から、より細かい区分(12〜13区分予定)へ変更される予定です。

これまでは、「年収370万円の人」と「年収760万円の人」が同じ区分となり、自己負担額も同じでした。

今後は所得に応じて細かく区分され、所得が高いほど自己負担上限額も高くなる方向で見直しが進められています。


公的保障は、今後も私たちにとって重要な制度です。

ただ、これからは「制度があるから安心」と言い切れない時代になってきています。

制度だけに頼るのではなく、自分でできる備えについても考えていきましょう。


今できる備えを

■ 猛暑による体調不良

【問題】

熱中症や脱水症状は、屋外だけでなく室内でも起こります。

自覚がないまま進行し、気づいたときには重症化しているケースも少なくありません。

【対策】

✔ エアコンを適切に使用する
✔ こまめな水分補給を心がける
✔ 睡眠不足を避け、体力を落とさない

暑さ対策で大切なのは、「我慢すること」ではなく「環境を整えること」です。

エアコンは体に負担をかけるものではなく、熱中症を防ぐために必要な設備です。

一方で、冷やしすぎは体のだるさや不調につながることもあるため、温度だけでなく湿度や風向きも調整し、自分に合った環境を整えることが大切です。


■ 突然の病気や風邪

【問題】

体調不良は予測できず、数日〜数週間単位で仕事や生活に影響することがあります。

会社員でも有給休暇だけではカバーしきれない場合があり、自営業やフリーランスの方は、そのまま収入減につながるリスクもあります。

【対策】

✔ 「働けない期間」が発生することを認識する
✔ 傷病手当金など、利用できる制度を事前に確認しておく

ポイントは、「治す準備」だけではなく、“働けない期間をどう乗り切るか”を事前に想定しておくことです。

医療費そのものよりも、収入が止まることによる家計への影響が大きくなるケースも少なくありません。


■ まとめ

これからの時代は、公的保障があることを前提にしながらも、
「不足する部分をどう備えるか」を考えていくことが、ますます大切になってきます。

医療制度は私たちの生活を支える重要な仕組みですが、制度内容は社会情勢や国の財政状況によっても変化していきます。

だからこそ、

・今どんな制度があるのか
・自分はどこまで保障されるのか
・もし働けなくなった時にどう生活を支えるのか

を、一度整理しておくことが大切です。

『何かあってから考える』のではなく、『何もない今だからこそ準備する』を意識してみませんか。

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